スピッツの刺激

その5:Go! Go! Scandinavia の巻

「GO! Go! Scandinavia」とはスピッツのファンクラブ「Spitzbergen」の会員対象のイベントの名称である。もともと、ファンクラブ名の由来となったスピッツベルゲン島のあるスカンジナビア地方へメンバーとともに(?)旅するというのが目標の(?!)の企画。過去にも同じようなイベントがあったらしいのだが、その当時わたしは会員でなかったので詳細はわからない。今回はとりあえず、全国をまわるライブハウスツアーと相成った。

スピッツのライブをライブハウスで観られる!これがわたしにとっての最大の魅力だった。うちからは大阪の会場がいちばん近かったけど、ZEPPという大人数収容型のライブハウスなので、名古屋まで行くことにした。名古屋はボトムラインというライブハウス。実は昔よく行ったライブハウスだった。でもその頃は座席(椅子)ありで、オールスタンディングという状態ではなかったから、はじめての小屋と言ってもいいくらいだなと予想していた。

ライブははじまった。照明がおちるとともに歓声があがる。1曲目はそりゃ、ものすごい歓声で観客はステージの上のメンバー(マサムネさーん、だったり、さきちゃーんだったり…)を見つけて声援を送るのに必死で曲なんて聴いてないんじゃないの?とか思った。そのうち段々落ち着いてきたけど、ほんと恐いくらいのキイロイ声。アイドル並である。圧倒される。でもまぁ大人しいもんで、開演前にスタッフのほうから「あんまり前に押さないようにしてください」とお達しがあったからかもしれないけど、それにしてもアクションはおとなしく、ほとんど前に詰寄ろうとする人は居ないように見えた。(そこがまぁスピッツらしいといえば、スピッツらしいんだけどね)

わたしはあまのじゃくで人と違うことをしたがる傾向があり、したがってスパイダ−や青い車などでみんなが同じフリをしていても気にせずひとりで違うふうに踊ったりする。これが楽しいのなんのって。ホールクラスの会場よりもライブハウスのほうがそれは楽しい。というか基本的にライブハウスがすきなのだな。だからスピッツをライブハウスで観ることは一生無理かなとも思っていたけど、いつかきっとと願っていたことだった。

また、今回のライブでは普段のライブでは聴けそうにない曲目が多かった。ファンクラブ会員限定ではちょっと勿体無いとさえ思われるくらいで(でもそうでなきゃライブハウスでなんてできないからな)。特に各会場ごとで前もって集計された「やって欲しい曲ベスト3」(?名称はよくわからない)はイベントならではといった感じであった。わたしは追加募集で参加したクチなのでこのベスト3には投票できなかったのだけど、できるならもちっとマニアックな選曲にならんもんか、と感じた。「猫になりたい」ファンクラブ会員の間では人気があると聴いていたし、わたしも好きだけど、ライブで聴いた感じはいまいちだった。なんでやろなんでやろとずっと考えていたけど、ただ単にライブ映えしない曲なんじゃないかという答えしか出なかった。

マニアックに。。。そんなことをいいながらも自分がもし選べたとしたら選んだ曲は、とうていランキング(ベスト3)になんて入りそうもない曲ばかりだと感じたりもして、自分の中で矛盾を感じるのであった。ちなみに>>ライブでやって欲しい曲>>ハードな曲かアコースティックな曲>>理由>>せっかくライブハウスでやるのだから、メリハリあるかんじがいいから。

また、同じく特典としていち早く新曲を2曲聴くことが出来たりした。『ホリディ』という軽快なテンポとは裏腹に「もし君と会わなければしあわせだったのに・・・」という訳ありげ(?)な歌詞だったりする。もう1曲は『いろは』というタイトルでこちらはうって変わってハードなナンバー。センチメンタル系かも。こういうライブ映えする曲は大好きです。スピッツもこれからこうやってライブでできたての新曲をどんどんやってくれるのかな、と期待。

今回のライブでいちばん“しんみり”してしまったのは“流れ星”→“謝々!!”→“チェリー”の流れだった。すごかった。思わず目を閉じて聴いている自分がいた。その部分だけはなぜかライブハウスから魂が抜け出した気分だった。

思ったより、昔の曲が少なかったなぁ、と。ライブハウスでやるというから昔の曲が多いんだろうと思っていたけどね。発売されて間もない『花鳥風月』からは3分の1くらいやってくれたけど、「トゲトゲの」とか『JAMBOREE2』に収められている「アナキスト」なんかも聴いてみたかったなぁ。でも「海ねこ」をやってくれたのが意外でうれしかった!好きな曲だからイントロですぐわかるのねぇ!「野生のチューリップ」もねぇ、かっこよくてすごいよかったわ。でも、『スピカ』やってくれへんくて、それはベスト1に入ってるって信じてたから、、、ショックでありました。

しかし、音のよさはホールとは格段の差ですな。照明もかっこいいし。マサムネくんのあのなーんとも言えないMCも。最初なんてエレカシの浩次とウッチャン入ってたし。モノマネしてるのかと思うほど似てました(笑)。あの、MCの微妙にあく間がいいですな。普通のライブなら「はい、じゃあ次の曲」っていってしまいそうなところも、無理矢理(?)ネタを繋げようとしてたり(笑)。話下手なかんじがなんともおもしろかった。マサムネくんの仕種にファンが「かわいー」と言うと「この歳でかわいいって言われるのもなぁ」と言ったりして。でもどこかウレシそうやったなぁ(笑)。 

アンコールの前までにわたしの体はかなり疲れていて、立っているので精一杯の状態だった。それにつけ、ベスト3の前あたりからすぐ横にあった巨大クーラーがゴーゴーと音をたてて暴風を送りつけてきたので、その横風に耐えるのも大変だった。まぁほかにも様々な理由で体は限界に近かった。アンコールの手拍子も打てず。。。もちろんウレシイアンコールなんだけど。ジャンケンで決まった崎ちゃんボーカルによる『花泥棒』にはその日いちばんはじけました。ジャンプジャンプジャンプってかんじで、もう完璧に我を忘れました。崎ちゃんサイコーにかっこよかったな。もともとわたしはマサムネ信仰者ですから(笑)、いつもはマサムネくんしか見えてへんわけですよ。やけどもかっこいいと思いましたね。近い!てのもあるし、全体の雰囲気の良さもあったんだと思う。『旅人』『俺のすべて』もよかったよぅ。

GO!スカに行った人だけが貰えるオリジナルカセットテープというのがあります。カセットレーベルに曲名が書いてあって、1・2曲目は曲を聴かなくてもわかるんだけど、3曲目の「スピッツのアイムプラウド」ていうのははじめ一体何?状態だった。冗談で「スピッツの…」ってついてるってことは自分達の曲じゃないってことだから、華原朋美の「I'm proud」でも唄っとるんやないか、と思ってたら、ほんまにそうやった(笑)。こうして聴いてみるとスピッツの曲のように聞こえてしまうから不思議。これこそマサムネマジック。マサムネくんとカラオケ行ってみたいです。

最近めっきりスピッツ離れしていたわたしだったけど、ゴースカに行って本当にスピッツがすき!と確信した。他のどんなことをおいてもスピッツが好きだと言えると。でも今のわたしはあまりにも浮き沈みが激しい。感情が定まらない。スピッツはやさしすぎるなぁ。時にはバシッとカツを入れてほしかったりする。まぁいろんな意味でよい経験になったライブでした。またこれからもどんどんやってほしいです。

演奏曲目 >> ハイファイローファイ、ハチミツ、愛のしるし、夏が終わる、ローランダー、空へ、裸のままで、魚 、青春生き残りゲーム、流れ星 、謝々!! 、チェリー、野生のチューリップ、海ねこ 、不死身のビーナス、青い車 、ホリデイ*、いろは*[ベスト3]3.スパイダ− 2.楓  1.猫になりたい[アンコール]花泥棒(崎山龍男ver.)、旅人 、俺のすべて【*印は新曲】

(7 Aug. 1999 komako)
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